インスリンは、すい臓にある細胞(ベータ細胞と名付けられています)で作られて、血管を通って全身に移動します。人間が合成できる、血糖値を下げる唯一の物質でしたね。
血糖値が高いと、下げるためにベータ細胞は必死でインスリンを作ります。この結果、血糖値が下げられます。
ですから、糖尿病のなりかけの段階では血糖値は正常の範囲にあります。
写真は、夜も頑張って品物を作る工場のイメージです。
ところが、ベータ細胞がインスリンを作るのに疲れてくると死滅してしまい、だんだんその数が減っていきます。
減っていって、減っていって、ついに血糖値を下げるだけの十分なインスリンが作れなくなった時、血糖値が上昇を始めます。これが糖尿病の発症です。
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ベータ細胞が疲弊してその数が減り、インスリンを作る力が落ちると元に戻すのは難しいです。
ですから、現在の糖尿病治療の考え方は、
- できるだけすい臓ベータ細胞に負担をかけない
- そのため早いうちにインスリンを打とう
となっています。
もちろん、糖尿病になったらすぐにインスリンを打つということではありません。
それにしても、早いうちにインスリンを打つのって、抵抗ありますよね。