◆ LDLコレステロール (悪玉コレステロール)を下げる薬は、以前から「ニコチン酸系」や「陰イオン交換樹脂」による薬などがありました。しかしこれらは良い薬なのですがコレステロールを下げる効果は小さく、さらなる薬剤の開発が期待されていました。

1960年代、ヒトの体でコレステロールが作られる場合、HMG-CoA還元酵素 というものが重要であることがわかりました。この酵素の働きを抑えることで、体内で必要以上にコレステロールが合成されるのを防ぐことができます。そのための薬がメバロチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンなど「スタチン系」の薬剤です。

これらスタチン系の薬剤が強力に血中のコレステロール値を下げることにより、動脈硬化、ひいては心筋梗塞・脳卒中(脳梗塞や脳出血)などを予防することができるようになりました。

その後もPCSK9阻害薬、MTP阻害薬などさまざまな薬が開発されています。

◆ 中性脂肪を下げる薬は、多価不飽和脂肪酸ニコチン酸系などがありました。中性脂肪の合成を抑えることで血液中に多くなることを防ぎます。

その後、専門用語が多くなるため省略しますが、中性脂肪が作られる場合、核内受容体 PPAR α というタンパク質が重要であることがわかりました。

このたんぱく質にくっつく「フィブラート系薬剤」というものが開発され、中性脂肪の合成されるのを防ぐことができるようになりました。

ベザフィブラート、フェノフィブラートなどが「フィブラート系」の薬です。

その後も、選択的PPAR αモジュレーターなど新しい薬が開発されています。

◆ HDLコレステロール善玉コレステロール)を増やす薬は、まだ開発されていません。

現在のところ、運動することが唯一、HDLコレステロールを増やす方法と考えられています。