妊娠するまで血糖値の異常を指摘されておらず、妊娠後に糖尿病ほどには血糖は高くはないけれど、ある程度の血糖高値を認める場合を妊娠糖尿病と言います。

診断基準を書くと煩雑になりますので省略しますが、もともと糖尿病の方が妊娠した場合は「糖尿病合併妊娠」という病名になります。少しややこしいですね。

診断は糖負荷試験で行われます。

甘いジュースを飲んでいただき、その前後に数回の採血をします。その際の血糖値をみて診断します。

妊娠糖尿病がなぜ良くないのでしょう?

妊娠の時期を分けて説明します。

〇 妊娠中

胎盤を通して血糖が赤ちゃんに届くため、赤ちゃんが肥満になる可能性があります。母体の血糖が極端に高いと、赤ちゃんの発育にも悪い影響が出ることがあります。

〇 出産時

胎盤からの高い血糖が赤ちゃんに急に来なくなるため、出産直後に赤ちゃんが低血糖を起こす可能性があります。

治療:内服薬は胎盤を通過して赤ちゃんの血液に入ってしまうので、治療は基本的にインスリンの自己注射になります。

妊娠糖尿病を診断された場合、その後に2型糖尿病になる方が多いです。

出産して1~3か月後に、診断時に受けた糖負荷試験を受けて2型糖尿病を発症していないかを確認する必要があります。