(以下の文章の音声読み上げです。)

甲状腺は首の前側で付け根のところにあり、甲状腺ホルモン(主にFT4:フリーティーフォー)を出します。

この甲状腺ホルモンが出る量を調節しているのが、脳の下垂体というところから出ている甲状腺刺激ホルモン(略してTSH:ティーエスエイチ)です。

通常は、脳が甲状腺ホルモンが足りないと感知すると、下垂体からTSHがたくさん出ます。

TSHが甲状腺にある「甲状腺刺激ホルモン受容体」というものにくっつくと、その刺激で甲状腺から甲状腺ホルモンがたくさん出ます。

逆に、脳が甲状腺ホルモンが多いと感知すると、下垂体からTSHがあまり出なくなります。

甲状腺刺激ホルモン受容体にくっつくTSHが減ってしまうので、甲状腺から甲状腺ホルモンはあまり出なくなります。

(以下の文章の音声読み上げです。)

このように、甲状腺ホルモンは脳から出される量の調節を受けていますが、甲状腺が脳の言うことを聞かなくなって勝手にホルモンをたくさん出したり、出さなくなったりする病気があります。

それぞれ、甲状腺機能亢進症(多くがバセドウ病)、甲状腺機能低下症(多くが橋本病)と言います。