糖尿病性腎症 ~ 「見えない」糖尿病の「見えない」合併症 (5)

前回のつづき

腎症第2期のつづきです。

前回、腎臓をざるに例えました。

腎臓の血管がいたんでくると、網目の一部が大きくなってしまいます。そこを通ってくるのがアルブミンでした。

さらに腎臓の血管がいたむと、網目の一部がさらに大きくなります。そこを通るのがタンパク質でした(タンパク質が網目を通るようになると、腎症第3期に分類されます)。

ざるの例えに戻りますが、大きくなった網目を野菜くずが通ると、通るときに網目にぶつかるので、そのせいで網目がさらに大きくなってしまいます。悪循環ですね。

腎症が進む原因は、血管がいたむことだけではなく、アルブミンやタンパク質が網目を通り抜けることもでもあります。アルブミンやタンパク質が漏れ始めたら、腎症がどんどん進んでしまうことになりかねません。

ですから、たとえHbA1cが7.0%未満でも、検尿だけではなく時々尿中アルブミンを測定して腎症の進み具合を確認しましょう。アルブミンが漏れてくるようなら生活を一度見直す必要があります。早期に腎症に対応しないと、どんどん病期が進むことになってしまいますから。

ただ、幸いアルブミンが漏れはじめた初期なら、血糖を良くするなど生活を見直すとアルブミンが減って腎症第1期にもどるのではないかというデータもあります。

補足:アルブミンが漏れてこずに腎症が進むこともあります。ですから、腎臓が老廃物を漉(こ)し取る機能(糸球体濾過量)も採血して定期的に測っておくのも重要です。

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