同じ生活習慣病でも、糖尿病や高血圧症は食事に気を付けたり(炭水化物や塩の量)、運動をすると病気の初期のうちはかなり効果が期待できます。
ところが厄介なのが「脂質異常症」(高脂血症、高コレステロール血症、高中性脂肪血症)です。
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以前、健康診断で初めて高血圧症と脂質異常症が「要治療」だと言われ初診された患者さんがいらっしゃいました。
非常に頑張り屋さんの方で、塩分を減らす、運動は通勤途中の駅を二駅歩く(ふつうは一駅でもキツいです)と半年間頑張られました。体重も4kg減り、ウエストが減ったのでズボンが合わなくなるほどです。
食事も、身体に悪い脂肪分(飽和脂肪酸)はできるだけ摂らないようにして、身体に良い脂肪分(不飽和脂肪酸)を摂るよう説明しました・・・体によい脂肪と悪い脂肪の話は、また後日。
血圧は見事に正常値に戻ったのですが、脂質異常症のコレステロールはほとんど変わりません。
脂質異常症(高脂血症、高コレステロール血症、高中性脂肪血症)は、
(1)体質がかかわっている場合 (2)脂肪のとりすぎの場合 (3)両方の場合があります。
この方は、これだけ頑張られたのにコレステロールの数値が変わらなかったため、体質による脂質異常症と考えられました。ご本人と話し合いのうえ、内服を始めました。
脂質異常症(高脂血症、高コレステロール血症、高中性脂肪血症)に関しては、頑張って数値が下がらなければ「体質だ」と割り切って、薬を始めても良いと思います。