糖尿病性腎症 ~ 「見えない」糖尿病の「見えない」合併症 (4)
前回のつづき
腎症第2期(早期腎症期)
早期腎症期とあります。その名の通り、腎症が少し進んだ状態です。
おしっこからタンパク質は出てきていませんが、アルブミンというのが1日にだいたい 30~299mg出ている状態です。
ここでアルブミンの説明をしておきましょう。タンパク質というのは、アミノ酸が数多くつながった塊です。アルブミンは、タンパク質より少ない数のアミノ酸がつながった塊で、タンパク質より少し小さい塊です。
さて、刻んだキャベツを洗って、ざるにいれて水を切るところを想像して下さい。
最初、野菜くずは漏れていきません。ざるが少しいたんで、網目がの一部が大きくなると、小さな野菜くずが漏れてくるでしょう。この小さな野菜くずがアルブミンです。ざるがもう少しいたんで、網目の一部がさらに大きくなると、もっと大きな野菜くずが漏れてきます。これがタンパク質です。
つまり、糖尿病で腎臓の血管(ざる)がいたむと、最初に漏れてくるのがアルブミン、もっといたんだら次がタンパク質です。アルブミンはより早く、腎症が進んでいないかを見る指標として使えます。
つづく