風邪に抗生物質は効きません
風邪をひかれて内科を受診される方が増える季節になりました。
大人の風邪の80%はウイルス感染で、抗生物質は効果がありません。
抗生物質には細菌の細胞が増えるのを止めたり、細胞を破壊したりする作用があります。ウイルス自体は細胞ではなくもっと小さい生命体で、人間の細胞に入り込んで増えます。
抗生物質はヒトの細胞には効果はなく細菌の細胞にのみ効果があるため、ウイルスには効果がないのです。
ただ、ウイルスによる風邪は4~5日で治ります。
ところが、その時期に身体が弱り、ウイルスはやっつけたけれども細菌が増えてくることがあります。いわゆる「ぶりかえし」で、いったん下がった熱が上がる、咳が出ていなかったのに出始める、など症状が変わってくる場合です。
その際は抗生物質の効果が期待できます。
風邪をひいたら、まず解熱剤などを飲んで安静にしましょう。4~5日しても風邪の症状が続くようなら、細菌感染に移行した可能性がありますので、内科を受診して抗生剤の処方を受けてもいいでしょう。
ただし、風邪には数多くの種類があります。4~5日症状が続くから必ず抗生物質を飲む必要はありませんし、お年寄りは医師の判断で早めに抗生物質を始めることもあります。
症状に応じて、内科のかかりつけ医に相談することが大切でしょう。